1日放映。93歳の今もなお現役で活躍される音楽評論家・吉田秀和さん。20世紀クラシック音楽の生き証人としての軌跡をたどり、現在の心境をインタビューで伝える。1913年生まれの吉田さん、若き日は詩人の中原中也などとの交流もあり、戦後の音楽教育実践においては小澤征爾さんや中村紘子さんを門下にしてきた。60年以上にわたって音楽評論の第一人者で、現在も1971年から続けてきたラジオ番組のレギュラー解説者をつとめているという驚異。4年前にドイツ人の奥さんを亡くされ、鎌倉で1人暮らし。それほど高そうでもない音響機器の前で音楽を聴き入る姿が印象的でした。クラシック音楽やその評論の世界にそれほど興味がない私でも、吉田さんの計り知れない足跡の大きさを垣間見ることができました。93歳にして冷めやらぬ音楽への情熱を内に秘め、もくもくと仕事にあたる現代の巨人でした。
・番組評価~☆☆☆